
みなさん、こんばんは。やすもと行政書士事務所です😊
7月15日に「デジタル相続の法律不備」についてご紹介しました。第2夜は、いよいよ“実際に変わり始めた制度”についてです。(3夜連続ではなくてすみません)
2025年4月に施行された「口座管理法」は、正式名称を「預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律」といい、マイナンバーと金融機関の預貯金口座を紐づける制度です。
この制度により、相続時や災害時に、預貯金口座の情報を効率的に把握できるようになります。なお、口座付番は任意であり、マイナンバーの登録は強制ではありません。
また、複数の金融機関に対して一括で手続きできるようになった点も大きな特徴です。
関連制度として「口座登録法(公金受取口座登録制度)」もあり、目的や対象は異なるものの、相続に備える上で注目されています。
参考資料:
三菱UFJ銀行 / みずほ信託銀行 /
デジタル庁 / Nat Zone / りそな銀行 / SMBC信託銀行
従来は、金融機関ごとに戸籍謄本や書類の提出が必要でしたが、今後はデジタル庁が構築するオンラインプラットフォームで一元化されていきます。
マイナンバーを活用することで、戸籍の取得、相続人の確定、金融機関への残高照会などが、オンライン上で一括して申請・確認できるようになる見込みです。紙の書類を取り寄せる手間や、各機関へ何度も足を運ぶ必要が減る、“窓口に行かない相続手続き”の時代が近づいています。
制度は整いつつありますが、情報の「見える化」は個人の備えが大切です。
登場人物:
母:澄江さん(78歳・最近体調を崩しがち)
息子:健太さん(45歳・会社員)
娘:理恵さん(42歳・子育て中)
ある日、澄江さんはふと、「私が万が一のとき、子どもたちはちゃんと手続きできるかしら」と不安を感じ、健太さんと理恵さんに話をしました。
健太さん:「実は最近、口座管理法っていう制度が始まってさ、マイナンバーと銀行口座をひもづけておくと、相続のときすごく楽になるらしいよ。」
理恵さん:「えっ、じゃあ、いちいち銀行ごとに行かなくていいの?」
健太さん:「うん。相続が発生したら、マイナンバーを使って一括でどの銀行にいくらあるかがわかるんだって。災害のときも、避難先の近くの銀行から情報が引き出せるらしいよ。」
こうして澄江さんはマイナンバーと口座のひもづけを済ませ、どの銀行にどんな目的で口座を持っているかをエンディングノートにまとめました。
理恵さん:「これで万が一のとき、手続きでバタバタしなくて済むね…」
健太さん:「うん、しかもこれからは戸籍や相続関係の確認もオンラインでできるようになるから、僕たち仕事しながらでも申請できそう。」
こうして家族は、制度を活用して、安心できる“備え”を少しずつ進めていったのでした。
相続の現場に、確実に“デジタル化の波”が押し寄せています。特に口座情報の共有と手続きの効率化は、家族にとって大きな安心につながるはずです。
次回は第3夜、「未来の相続、私たちが備えるべきこと」を予定しています。どうぞお楽しみに☺️