


【入管法は外国人だけの法律じゃない?】
(目的)第一条 出入国管理及び難民認定法は、本邦に入国し、又は本邦から出国する全ての人の出入国及び本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする。
これは入管法の目的条文です。注目したいのは「全ての人」という表現。日本人も含まれるの?と思われるかもしれませんが、実は「入管法は外国人の出入国の管理だけでなく、日本人の出入国についても対象」となっています。
その根拠が以下の規定です:
・第60条:日本人の出国確認 ・第61条:日本人の帰国確認
つまり、日本人も入管法の枠組みに入っているということです。
【外国人の定義と重国籍者】
入管法第2条には「外国人=日本の国籍を有しない者」と明記されています。では日本と外国の両方の国籍を持つ重国籍者は?
答えは「日本国籍を持っていれば外国人ではない」。よって、外国籍を持っていても日本国籍がある限り、入管法上は日本人として扱われます。
【日本の重国籍に関する考え方】
日本は「単一国籍主義」が原則で、最終的にはどちらか一つを選ぶ必要があります。
◆重国籍になるケース:
①出生による重国籍:日本人と外国人の親を持つ子どもが両国の法律で自動的に国籍を取得する場合。
②帰化による重国籍:外国人が日本国籍を取得したが、母国の国籍が残っている場合。
◆国籍選択の期限:
・出生による重国籍者→20歳までに選択(国籍選択届)
・18歳以降に重国籍になった場合→その時から2年以内に選択
※2022年4月の民法改正により期限が22歳→20歳に短縮されました。
期限を過ぎても選択は必要です。放置すると法務省から催告を受け、日本国籍を喪失する可能性も。
【根拠となる主な条文】
・国籍法第11条:日本国籍の喪失
・国籍法第12条:外国の国籍を取得したとき
・国籍法第14条:国籍選択の義務
・国籍法第15条:法務大臣による催告
※詳細は法務省HPに記載あり
【重国籍を認めている国・認めていない国】
▼重国籍が認められている国:
米国、英国、フランス、イタリア、豪州、韓国(条件付き)、フィリピン など
▼重国籍が認められていない国:
日本、中国、シンガポール、マレーシア、インド、インドネシア、サウジアラビア、カタール など
最後に 「外国人のための法律」と思われがちな入管法。でも、実は私たち日本人にも関わりのあるものです。
私たちの暮らしと世界とのつながり――その境目にある「入管法」について、これからも一緒に考えていけたらと思います。
今回の記事が、その小さなきっかけになれば幸いです。
特定行政書士|やすもと行政書士事務所