最近ちょっと気になる入管の話


連絡会議などから見えた4つの変化



こんにちは、TIBIです。

今回は、東京入管・関地協の連絡会議の話題や、最近あらためて確認しておきたい入管実務のポイントを、

「これは現場でじわっと効いてくるな…」という視点でまとめてみました。



派手なニュースばかりではありませんが、実務ではこういう話の積み重ねが本当に大事です。

今回は、次の4つを取り上げます。



  • 帰化の居住要件の厳格化の話

  • 在留資格手数料(印紙代)の上限引上げの話

  • 特定技能(外食業分野)の新規受入れ停止の話

  • 「短期滞在」から他の在留資格へは原則変更できない、という基本ルールの話




① 帰化、「5年でOK」とは言いにくくなるかも?



まず一つ目は帰化申請です。



最近、帰化の居住要件について、実務上はより長期・安定的な在留実態が重視される方向が見えてきています。



ここで大事なのは、

法律が変わったわけではなく、審査運用が厳しくなる可能性が高いという点です。



従来も「引き続き5年以上日本に住所を有すること」という基本的な考え方はありますが、

現場感覚としては、単に「5年経ちました」だけでは足りず、その中身がより細かく見られる流れになってきている印象です。


最近よく見られているポイント👇


  • ちゃんと継続して日本に住んでいるか

  • 出国が多すぎないか

  • 在留資格が安定しているか

  • 納税状況に問題がないか



実際、法務局での事前相談の場面では、

住民税の課税・納税証明書を5年分求められたという話も出ています。



しかも、すでに申請中の案件についても、追加資料の提出が必要になる可能性があるとのこと。

このあたりは、今後ますます「出して終わり」ではなくなりそうです。



個人的には、帰化申請も

「形式要件クリア型」から「総合判断型」へ寄ってきているように感じています。




② 印紙代、最大30万円の時代へ?



次は費用の話です。



在留資格の更新などに関する手数料(収入印紙)について、

上限額が30万円まで引き上げられるという話が出ています。



ただし、ここは現時点ではまだ、具体的にどの申請でいくらかかるのかは不明です。

なので、今後の正式発表をよく見ていく必要があります。


実務的に気になる点


  • 一部の手続では費用負担がかなり重くなる可能性がある

  • お客様への費用説明がこれまで以上に重要になる

  • 報酬設計とのバランスも考え直す必要が出てくる



このあたりは、依頼者にとってはかなり敏感な問題です。

「手続の費用がいくらかかるのか」「どの程度の見込みなのか」を、最初の段階で丁寧に説明することがますます大事になりそうです。



※具体的な手数料額は現時点では未確定です。今後の正式発表を確認したいところです。




③ 特定技能(外食)、ついに新規受入れ停止



これは外食業界にとって、かなり大きな話です。



特定技能1号(外食業分野)について、令和8年4月13日以降、新規受入れが一時停止されることになっています。



理由は、分野別の受入れ上限に達する見込みだからです。

いわば、制度が想定していた「枠の現実」が、いよいよはっきり表に出てきたという感じです。


ここは整理しておきたいポイント👇


  • 海外からの新規受入れ → 停止

  • すでに在留している人の更新 → 可能

  • 転職などによる変更 → 可能



つまり、外食業でこれから海外から新規で人を呼ぶ前提の計画は、かなり見直しが必要になります。

今後は、国内にいる外国人材の活用や、他の在留資格の可能性を含めた検討がより重要になってきそうです。




④ 「短期滞在」で来て、そのまま在留資格変更…は原則できません



最後に、これは実務上とても基本ですが、意外と誤解の多い話です。



「今は短期滞在だけれど、このまま日本で中長期の在留資格に変えられませんか?」

という相談は、実際によくあります。



しかし、入管法上は、「短期滞在」からの在留資格変更は、やむを得ない特別の事情がない限り認められないというのが原則です。


要するにどういうことかというと…


  • 短期滞在で来日した人は、原則としてそのまま中長期在留へ切り替えることはできない

  • 日本で中長期在留を希望するなら、基本的には在留資格認定証明書交付申請などの正規ルートを踏むことになる

  • 例外が認められるのは「やむを得ない特別の事情」がある場合に限られる



ここで特に大事なのが、



「日本にいる間に在留資格認定証明書が交付された」だけでは、やむを得ない特別の事情には当たらない



という点です。



つまり、

「とりあえず短期滞在で入って、後で何とか変更しよう」

という考え方は、原則として通りません。



この点は、ご本人だけでなく、受け入れる会社側や家族側も誤解していることがあるので、早い段階で丁寧に説明しておく必要があります。



実務では、“できるかどうか”の前に、“そもそも手続の入口が合っているか”を確認することが本当に大事だと感じます。




まとめ:制度はますます「実態重視」へ



今回の4つの話題は、一見バラバラに見えますが、共通点があります。


共通するキーワードは「形式より実態」


  • 帰化は、年数だけでなく中身が見られる

  • 手数料は、費用説明の重みが増す

  • 特定技能は、制度上の枠という現実がある

  • 短期滞在は、入口の在留資格選択そのものが重要



入管実務は年々複雑になっています。

でも裏を返せば、制度を正しく理解して、先回りして説明できること自体が専門家の価値になっていくのだと思います。



今後も、こうした実務の変化や注意点を、できるだけわかりやすく整理していきたいと思います。



当事務所でも、外国人雇用や在留資格に関するご相談をお受けしています。


外国人材の受入れや在留資格手続について気になる点がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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