外国人雇用実務ライブラリー
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第1部 基礎編|外国人雇用実務ガイド FE-004
在留カードの見方と確認方法
採用時に「どこを見るか」を実務で整理する
在留カードは、ただコピーして保管するための書類ではありません。
採用担当者は、在留資格・在留期間・就労制限・資格外活動許可などを読み取り、
予定する業務との適合性を確認する必要があります。
対象:経営者・人事総務担当者
初版公開:2026年8月
情報基準日:2026年8月12日
ここがポイント
在留カード確認は、「持っているか」ではなく、「何が記載されているか」を見る作業です。
FE-003では、就労できる在留資格・原則就労できない在留資格・就労制限のない在留資格を整理しました。
今回は、企業がその判断を実際に行う際の基本資料となる「在留カード」を取り上げます。
在留カードには、氏名、在留資格、在留期間、就労制限の有無など、雇用判断に直結する情報が記載されています。
1.在留カードとは何か
在留カードは、中長期在留者に対し、上陸許可、在留資格の変更・更新などの許可に伴って交付されるカードです。
企業が外国人を雇用する際は、本人確認だけでなく、在留資格・就労制限・資格外活動許可などを確認する重要資料となります。
まずは、採用担当者が確認すべきポイントを1枚にまとめた下記の模式図で全体像を確認してください。
その後の各章で、新様式への対応、特例期間、読取アプリ、失効情報照会まで詳しく解説します。
2026年6月14日から新様式:
2026年6月14日から新様式の在留カードが交付され、希望する中長期在留者については
マイナンバーカードと在留カードを一体化した「特定在留カード」の運用も始まりました。
旧様式の在留カードも、有効期限までは引き続き有効です。
※出入国在留管理庁公表資料を参考に、やすもと行政書士事務所が独自に作成した模式図です。
実際の在留カードとはデザイン・配置等が異なります。
※2026年6月14日以降の新様式対応:
「在留期間」そのものは新様式の券面から削除されていますが、
「在留期間の満了日」は引き続き確認項目です。
2.【2026年重要】新様式では「在留期間」が券面からなくなった
2026年6月14日以降に交付される新様式の在留カード・特定在留カードでは、
従来券面に記載されていた「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」が券面からなくなりました。
一方、「在留期間の満了日」は確認対象として残っています。
| 確認項目 | 旧様式 | 新様式(2026年6月14日~) |
| 在留資格 | 券面で確認 | 券面で確認 |
| 在留期間の満了日 | 券面で確認 | 券面で確認 |
| 在留期間 | 券面で確認 | 券面には表示されない |
| 許可の種類・許可年月日 | 券面で確認 | 券面には表示されない |
2026年8月12日現在の注意:
在留カード等読取アプリで新様式カードを読み取っても、
「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」はまだ表示されません。
出入国在留管理庁は2026年9月を目途に、これらを表示できる改修版をリリース予定と案内しています。
それまで「在留期間」をどう確認するか:
出入国在留管理庁は、在留期間を確認する必要がある場合、
本人の住民票に記載された在留期間を確認するよう案内しています。
「在留期間」と「在留期間の満了日」は別項目ですので、混同しないことが重要です。
3.まず表面で確認する項目
CHECK 1
氏名・生年月日・国籍・地域等
本人とカードの同一性を確認します。顔写真、氏名等を本人と照合します。
CHECK 2
在留資格
「技術・人文知識・国際業務」「留学」「特定技能」など、現在の在留資格名を確認します。
CHECK 3
在留期間・満了日
在留期限を確認し、入社日・契約期間・更新時期との関係を整理します。
CHECK 4
就労制限の有無
採用実務で最重要の欄です。「就労不可」等の記載がある場合は、裏面の資格外活動許可欄も確認します。
「在留資格」だけを見て採用判断を完了させず、
必ず「就労制限の有無」と予定する業務内容を組み合わせて確認します。
4.裏面で確認する項目
BACK 1
住居地記載欄
転居等に伴う住居地の変更が記載される欄です。本人から申告された住所との整合も確認します。
BACK 2
資格外活動許可欄
「留学」「家族滞在」などでアルバイト等を行う場合に特に重要です。許可の有無と内容を確認します。
BACK 3
在留期間更新等の申請状況
在留期間更新許可申請・在留資格変更許可申請を窓口で行った場合、
在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に「申請中」の記載がされます。
ただし、オンライン申請の場合は在留カード裏面に「申請中」の表示がされないため、
受付完了メール等で申請中であることを確認します。
BACK 4
その他の追記
カード様式や手続内容により記載位置が異なることがあります。新旧カードの違いにも注意します。
5.更新・変更申請中の「特例期間」をどう確認するか
在留期間の満了日までに在留期間更新許可申請または在留資格変更許可申請を行い、
満了日までに処分がされない場合には、一定期間、従前の在留資格で引き続き在留できる
「特例期間」があります。
特例期間は、「申請に対する処分がされる時」または
「従前の在留期間の満了日から2か月を経過する日」のいずれか早い時までです。
窓口申請
在留カード裏面で確認
在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に、
在留期間更新許可申請中または在留資格変更許可申請中である旨が記載されます。
オンライン申請
受付完了メール等で確認
オンライン申請では、在留カード裏面に「申請中」の表示はされません。
出入国在留管理庁から送信された受付完了メール等により、
申請中・特例期間内であることを確認します。
就労できる範囲は変わりません:
特例期間に入ったことで新たな就労権限が生じるわけではありません。
就労については、従前の在留資格で認められていた活動の範囲内で継続することになります。
企業実務ではここまで確認:
在留期間の満了日を過ぎているからといって直ちに「就労不可」と判断せず、
①申請日、②申請の種類、③特例期間に入っているか、
④従前の在留資格で認められていた就労範囲、を確認します。
6.「就労不可」と書かれていたらどうするか
在留カード表面の「就労制限の有無」欄に「就労不可」とある場合、
原則としてその在留資格のまま就労することはできません。
ただし、「留学」「家族滞在」などでは資格外活動許可を受けている場合があります。
そのため、表面だけで判断を終えず、裏面の資格外活動許可欄を確認します。
注意:
資格外活動許可があっても、活動内容、就労時間、就労場所等に制限があります。
「許可あり=どの仕事でも無制限に働ける」ではありません。
7.「特定活動」は指定書まで確認する
在留資格「特定活動」は、在留カードに「特定活動」と表示されているだけでは、
就労できる活動の範囲を判断できない場合があります。
ワーキング・ホリデー、インターンシップ、本邦大学等卒業者(告示46号)など、
個人ごとに指定された活動内容が異なるため、旅券に添付等された「指定書」を確認します。
実務ポイント:
「特定活動」の採用相談では、在留カードのコピーだけで判断せず、
指定書の内容まで確認してから職務との適合性を検討します。
8.カードの真正性確認―読取アプリと失効情報照会を具体的に使う
在留カード確認は、券面を見るだけでなく、出入国在留管理庁が提供する
「在留カード等読取アプリケーション」と
「在留カード等番号失効情報照会」を組み合わせると、確認精度を高められます。
① 券面確認
顔写真、氏名、在留資格、在留期間の満了日、就労制限等を本人と照合します。
② ICチップ読取
読取アプリでICチップ内の情報を読み取り、券面情報との相違や偽変造確認を補助します。
③ 失効情報照会
在留カード番号等を使い、番号が失効していないか確認します。
読取アプリはどこから入手する?
失効情報照会はどこでできる?
重要:
失効情報照会で「失効していない」と表示されても、カード自体の真正性が保証されるわけではありません。
実在するカード番号を悪用した偽造カードも想定されるため、券面確認・ICチップ読取・失効情報照会を組み合わせます。
新様式カードは最新版アプリで:
2026年6月14日以降の新様式在留カード等は、古いバージョンの読取アプリでは読み取れません。
必ず最新版へ更新してください。
9.採用担当者の確認手順
- 原本を見る
コピーやスマートフォンの写真だけでなく、原本を本人から提示してもらい確認します。
- 本人と照合する
氏名、顔写真、生年月日等を本人と照合します。
- 在留資格・期限を見る
在留資格、在留期間、満了日を確認します。
- 就労制限を見る
表面の「就労制限の有無」を確認します。
- 裏面を見る
資格外活動許可、申請状況等を確認します。
- 業務内容と照合する
予定する具体的な業務が在留資格・許可範囲に適合するか確認します。
- 必要に応じて真正性を確認する
読取アプリ・失効情報照会等を活用します。
10.企業が陥りやすい誤解
誤解①「在留カードをコピーしたから確認は終わり」
コピー保管は確認行為そのものではありません。記載内容を読み、予定業務との適合性まで確認します。
誤解②「有効期限内だから就労できる」
有効な在留カードであっても、その在留資格・許可範囲で予定業務に従事できるとは限りません。
誤解③「失効情報照会で有効なら本物」
失効情報照会は、カード自体の真正性を証明するものではありません。読取アプリや券面確認と組み合わせます。
11.実務アドバイス
在留カード確認は、単なる本人確認ではなく、外国人雇用の適法性を判断する入口です。
採用担当者が「どこを見るか」を社内で統一し、
在留期限・資格外活動許可・配置変更時の再確認まで継続管理する仕組みを作ることが重要です。
とくに2026年は、旧様式・新様式・特定在留カードが併存する時期です。
カードの見た目だけで戸惑わないよう、社内マニュアルも新様式に合わせて更新しておきましょう。
12.実務チェックリスト
- 在留カード等の原本を確認した
- 本人と顔写真・氏名等を照合した
- 在留資格を確認した
- 在留期間・満了日を確認した
- 満了日を過ぎている場合は、更新・変更申請中か、特例期間内かを確認した
- オンライン申請の場合は受付完了メール等を確認した
- 「就労制限の有無」欄を確認した
- 裏面の資格外活動許可欄を確認した
- 特定活動の場合は指定書を確認した
- 予定業務との適合性を確認した
- 必要に応じて読取アプリ・失効情報照会を利用した
- 在留期限を継続管理する担当者・方法を決めた
14.更新情報
| 更新日 | 更新内容 |
| 2026年8月12日 | 初版作成。新様式在留カード・特定在留カードに対応。 |
| 2026年8月12日 | 確認ポイント模式図、新様式における「在留期間」の確認方法、読取アプリ・失効情報照会の具体的な利用先を追記。 |
| 2026年8月12日 | 在留期間更新・在留資格変更申請中の特例期間、窓口申請とオンライン申請の確認方法、特例期間中の就労範囲を追記。 |
| 2026年8月12日 | FE-04専用の在留カード確認ポイント模式図(完全版)を本文に組み込み、出典注記・新様式対応注記を追加。 |
15.主な根拠資料・確認先
本ページは、2026年8月12日時点で確認できる公的資料に基づいて作成しています。
在留カード等の様式、表示項目、読取アプリ等の仕様は今後変更される可能性があります。
在留カードを「見る」から「判断する」へ
在留資格、就労制限、資格外活動許可、予定業務の関係に判断が必要な場合は、
採用前に確認することが重要です。
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情報提供・免責事項:
本ページは、公的資料に基づく一般的な情報提供を目的とするものであり、
個別案件に関する許可可能性や法的判断を保証するものではありません。
法令改正、行政運用、本人の在留状況、具体的な職務内容等により判断が異なります。