★FE-05外国人採用の基本フロー

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FE-05 外国人採用の基本フロー

「採用したい」から入社後の届出まで。 外国人採用を企業実務の順番で整理します。

基準日:2026年8月17日
FE-01~FE-04では、外国人雇用の全体像、在留資格、 就労可否、在留カードの確認方法を整理しました。

FE-05では、それらを実際の採用業務につなげます。 外国人採用では、 「内定を出してから在留資格を確認する」のではなく、 募集する業務と在留資格の適合性を 採用プロセスの早い段階から確認する ことが重要です。

1.まず全体像|外国人採用は7ステップで考える

STEP 1 業務内容・採用条件を決める
STEP 2 在留資格・就労可否を確認
STEP 3 募集・選考
STEP 4 労働条件を明示・契約
STEP 5 必要な在留手続を確認
STEP 6 入社時の最終確認
STEP 7 雇入れ後の届出・管理
ポイント: 外国人採用だけの「特別な採用手続」が 一つ存在するわけではありません。 通常の採用・労務手続に、 在留資格と就労可能性の確認、 必要な在留手続、 外国人雇用状況の届出等 が加わる、と考えると整理しやすくなります。

2.STEP 1|先に「誰を採るか」ではなく 「何をしてもらうか」を決める

在留資格の多くは、外国人本人の肩書だけではなく、 日本で実際に行う活動・業務内容 との関係で就労可否を判断します。

したがって、求人を出す前に仕事内容を 具体化しておくことが出発点です。

① 具体的な業務内容 日常的に担当する仕事、主たる業務、 付随業務を整理します。
② 就業場所 本社・店舗・工場・客先など、 実際に働く場所を確認します。
③ 雇用形態・契約期間 正社員、有期契約、パート等の条件を整理します。
④ 賃金・労働時間等 募集条件と実際の労働条件が 食い違わないよう整理します。

3.STEP 2|在留資格と「予定する仕事」が 合っているか確認する

採用候補者の在留資格名だけを見て 判断してはいけません。

FE-03・FE-04で整理したとおり、 在留資格、就労制限、資格外活動許可、 指定書等を確認し、 予定する業務に従事できるか を判断します。

「在留カードがある=その会社で何でも働ける」 ではありません。

「技術・人文知識・国際業務」など 活動内容に範囲がある在留資格では、 予定する職務との適合性が重要です。
「特定活動」では、 指定書の確認が必要となる場合があります。
「留学」等で資格外活動許可により働く場合には、 許可範囲・時間制限等も確認します。

※身分・地位に基づく在留資格など、 活動内容に就労制限がない類型もあります。 個別判断は在留資格・許可内容に応じて行います。

4.STEP 3|募集・選考では 「外国人だから」ではなく業務との適合性を見る

募集時には、業務内容、賃金、労働時間、 就業場所、契約期間などの条件を明確にします。

採用では、在留資格上その業務に 従事できることを確認したうえで、 公平な採用選考を行うことが基本です。

求人票を曖昧にしない 「会社業務全般」だけでは、 在留資格との適合性を確認しにくくなります。
選考段階で確認する 在留資格・就労可否の確認を 内定後まで先送りしないことが重要です。
国外からの紹介にも注意 国外在住者のあっせんを受ける場合は、 適法な職業紹介事業者等であるかも確認します。
国籍による差別的取扱いを避ける 在留資格上必要となる確認と、 公平な採用選考は分けて考えます。

5.STEP 4|労働条件を 「本人が理解できる形」で明示する

外国人にも、労働基準法をはじめとする 労働関係法令が適用されます。

労働契約締結時には、 賃金、労働時間その他の労働条件を 法令に従って明示します。

実務上のポイント: 厚生労働省の外国人雇用管理指針では、 モデル労働条件通知書の活用や母国語等による説明など、 外国人労働者が理解できる方法で 労働条件を明示するよう努めることが示されています。

特に、賃金だけでなく、 税金・社会保険料等の控除、 休日・残業・勤務地・契約更新など、 後からトラブルになりやすい事項を 丁寧に説明することが重要です。

6.STEP 5|「採用決定=すぐ働ける」とは限らない

候補者の現在の在留資格と、 採用後に予定する活動が一致しない場合などには、 就労開始前に在留資格変更許可等の 手続が必要となることがあります。

国外から新たに呼び寄せる場合には、 在留資格認定証明書交付申請等が関係します。

重要: 必要な許可を受ける前に、 許可されていない活動を開始させないこと。
「内定日」「雇用契約日」「入社予定日」 「実際の就労開始日」 を区別してスケジュールを組みます。

【実務上のポイント|停止条件付き雇用契約】
在留資格認定証明書交付申請や 在留資格変更許可申請など、 就労に必要な在留手続の許可を前提とする場合には、 就労資格の取得を条件として 雇用契約が効力を有する 「停止条件付き雇用契約」 とする方法があります。

例えば、 「地方出入国在留管理局から 就労に係る許可を受けた日から有効とする」 といった条件を設ける方法が、 出入国在留管理庁のQ&Aでも示されています。

※必要となる在留手続は、 現在の在留資格、予定業務、本人の経歴、 国内在住・国外在住などによって異なります。

7.STEP 6|入社直前・入社日にもう一度確認する

選考時に確認していても、 入社までに在留期間更新等が行われることがあります。

入社時点の最新情報で再確認する 運用が重要です。

在留カード 在留資格、在留期間の満了日、 就労制限、資格外活動許可等を再確認します。
業務内容 求人・契約時に説明した業務と、 実際の配属・担当業務が一致しているか確認します。
労働条件 賃金、勤務時間、勤務地、 契約期間等を最終確認します。
社内手続 雇用保険、社会保険等について、 各制度の適用関係を確認します。

8.STEP 7|雇い入れた後にも「届出」がある

外国人を雇用する事業主には、原則として、 外国人の雇入れ・離職時に 氏名、在留資格等を確認し、 外国人雇用状況を届け出る義務 があります。

在留資格「外交」「公用」の方および 特別永住者は対象外です。

手続・確認 企業実務で見るポイント
外国人雇用状況届出 外国人の雇入れ・離職時には、 事業主による届出が必要です。

【雇用保険の被保険者となる外国人】
・雇入れ: 雇入れ日の属する月の翌月10日まで
・離職: 離職日の翌日から起算して10日以内

【雇用保険の被保険者とならない外国人】
・雇入れ: 雇入れ日の属する月の翌月末日まで
・離職: 離職日の属する月の翌月末日まで

※在留資格「外交」「公用」の方および 特別永住者は、 外国人雇用状況届出の対象外です。
雇用保険・社会保険 国籍だけで判断せず、 それぞれの制度の適用要件に従って 加入手続を行います。
外国人本人の届出 対象となる在留資格では、 転職等に伴い、 外国人本人に出入国在留管理庁への 「所属機関に関する届出」が 必要となる場合があります。
所属機関による届出 一定の受入れ機関には、 出入国在留管理庁への届出制度があります。 外国人雇用状況届出とは 届出者・対象・根拠・期限等が異なるため、 それぞれの制度を区別して確認します。
ここは特に注意:
「出入国在留管理庁への届出」と 「外国人雇用状況届出」は、 届出者・対象・根拠法令・期限が 同じではありません。
すべてを一律に 「14日以内」と処理しないことが重要です。

9.企業用チェックリスト|採用前から入社後まで

□ 求人前 担当業務・勤務地・雇用条件を具体化したか。
□ 選考時 在留資格と予定業務の適合性を確認したか。
□ カード確認 在留カード、就労制限、資格外活動許可、 必要な指定書等を確認したか。
□ 契約時 労働条件を本人が理解できる方法で 説明・明示したか。
□ 入社前 在留資格変更等が必要か、 実際に就労を開始できる時期を確認したか。
□ 入社時 最新の在留カードと、 実際の配属・業務を再確認したか。
□ 入社後 外国人雇用状況届出、 雇用保険・社会保険等の 必要な手続を確認したか。
□ 継続管理 在留期間満了日、業務変更、 更新・変更申請等を 継続して管理する仕組みがあるか。

10.FE-05の結論|外国人採用は「順番」が重要

外国人採用で避けたいのは、 採用そのものを先に進め、 最後になって在留資格を確認することです。

業務を決める

在留資格との適合性を確認する

募集・選考する

労働条件を明示する

必要な在留手続を行う

入社時に再確認する

届出・継続管理を行う


この順番を企業の標準フローにしておくことが、 外国人雇用のコンプライアンスの第一歩です。

11.公的資料・確認先

※本ページは、 2026年8月17日時点の公的情報を基に、 企業の外国人採用実務を 理解しやすく整理したものです。 個別案件では、 在留資格、雇用形態、業務内容、 本人の状況等に応じた確認が必要です。

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